第7回デザイン研究講演会「ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンと吉川静子:「デザイン」と「アート」の交差について」

・日時:2025年12月14日(日) 14:30~16:30 (受付 14:00〜)
・会場:デザイン史リサーチセンター東京(住所:東京都新宿区下落合3-15-23-104)
・参加費:2,000円(資料代、お茶代含む)
 ※当日、現金にてお支払いください。
 ※DHRCtokyo会員の方は参加費1,000円になります。
・申し込み:先着10名 ※下記リンク先のフォームからご応募ください。

【応募フォーム】
https://forms.gle/w1Ssyj3mtsGhd29Q6

【講演概要】
 ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914-1996)と吉川静子(1934-2019)は、スイスを活動拠点として制作を行ったデザイナー、芸術家であり、プライベートではパートナーだったことでも知られる。両者の作品について簡単に造形上の影響関係を指摘できるものではないが、二人の作風には、どこか共通する特徴があるように思われる。本研究発表では、二人の作品と活動を検証し、その重なる点について考察を加える。定義の難しい「デザイン」と「アート」に橋を架ける可能性を、二人のアーティストの事例から探る。

【講師プロフィール】
平井直子(ひらい・なおこ)大阪中之島美術館主任学芸員。大阪大学美学研究室でジオ・ポンティ研究をおこない、調査のためイタリア政府給費奨学生としてミラノ工科大学建築史学科に留学。川崎市市民ミュージアム学芸員を経て、現職。文学博士(大阪大学)。近年の仕事に「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」展(2022年)「Parallel Lives平行人生—新宮晋とレンゾ・ピアノ」展(2023年)「Space In Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン」展(2024年)「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年」展(2025年)、『もっと知りたい アール・ヌーヴォー』(東京美術、2025年)がある。

デザイン史学研究会後援

第6回デザイン研究講演会「ジョンストンによる近代カリグラフィの復活と書体デザインへの展開」

講師:山本政幸 氏

日時:2025年11月30日(日) 14:00〜16:00 (受付 13:30〜)
※いつもより開始時間が30分早くなっております。お間違えのないようご注意ください。
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
※DHRCtokyo有料会員の方は参加費1,000円となります。

【応募フォーム】
https://forms.gle/9xUZjbqa7LpGAuAK7

【講演概要】
 ロンドンを訪れるとランドマークのようにあちらこちらで見かける地下鉄のシンボルは、およそ100年前にエドワード・ジョンストン(Edward Johnston, 1872-1944)が画期的な専用書体とともにデザインした名作です。手書き文字の美を極めた近代カリグラフィの祖とされるジョンストンが、どのようにしてジオメトリックとヒューマニスティックを融合した書体設計に至ったのか。また、アーツ・アンド・クラフツ運動を継承して設立された中央美術工芸学校やRCAで取り組んだカリグラフィ教育はいかなるものだったのか。さらに、その教育内容をまとめた教本が20世紀における何人もの書体デザイナーたちの原典となったのは事実か。ジョンストンの生涯をたどりながら探ります。

【講師プロフィール】
山本政幸(やまもと・まさゆき)
岐阜大学教育学部教授。筑波大学大学院芸術学研究科単位取得退学。
博士(デザイン学)。多摩美術大学准教授を経て現職。専門はデザイン学、タイポグラフィ論。共著書に『デザインの歴史』(学芸出版社、2022年)、監修に『ポール・ランド:デザイナーの芸術』(BNN新社、2017年)、論文に「『ネオ・グロット』とスイス・スタイルの受容─一九六〇年代日本におけるモダン・タイポグラフィの展開」『ユリイカ:特集=書体の世界』(青土社、2020年)など。

デザイン史学研究会後援


https://note.com/dhrc_tokyo/n/nc5f190980edd

第5回デザイン研究講演会「布から読み解くシャネル」

講師:朝倉 三枝 氏

日時:2025年10月19日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
※DHRCtokyo有料会員の方は参加費1,000円となります。

【応募フォーム】
https://forms.gle/bqhU4GruognCYuoo9

【講演概要】
 シャネルほど活字にされ映像化されたファッションデザイナーはいないだろう。その革新的なデザイン、ドラマティックな生き方、そして残された数々の言葉について、これまで多くの研究や言説が重ねられてきた。しかし、それらを「布」という観点から捉え直した時、何が見えるだろうか。彼女の代名詞ともいえるジャージーやツィード、象徴的な黒いドレスに用いられた布、さらに1928年に創設されたテキスタイル会社などに注目し、シャネルの創作と試みを新たな側面から考えてみたい。

【講師プロフィール】
朝倉三枝(あさくら・みえ)
 早稲田大学社会科学総合学術院教授。お茶の水女子大学人間文化研究科修了・博士(人文科学)。専門は西洋服飾史、フランス文化論。近現代のフランスを中心に、芸術とモードの交流、「ブランド」という概念の歴史的変遷について研究している。著書に『ソニア・ドローネー 服飾芸術の誕生』(ブリュッケ、2010年)、『もっと知りたい シャネルと20世紀モード』(東京美術、2022年)。主な論文に「リトル・ブラック・ドレス再考」『ユリイカ』[特集:ココ・シャネル] no.776、第53巻、第8号(青土社、2021年)など。

朝倉三枝先生の写真

デザイン史学研究会後援


https://note.com/dhrc_tokyo/n/nc5f190980edd

第4回デザイン研究講演会「日本の大衆の趣味とインテリア  「-風」のデザインを考える」

講師:神野由紀 氏

日時:2025年7月13日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
※DHRCtokyo有料会員の方は参加費1,000円となります。
デザイン史学研究会後援

【応募フォーム】
※先着制で定員に達したため、恐れ入りますが、この度の募集は締め切らせていただきました。

【講演概要】
 インテリアはその人の趣味の集積であるといえます。特別な富裕層ではない場合、ほとんどの人が住まいのインテリアを自分で考えます。私たちは室内を飾ることで、何を目指そうとしてきたのでしょうか。住まいのインテリアからは様々なことを読み取ることが可能ですが、それらは必ずしも良い趣味ではなく、装飾過多でフェイクに満ちていることもあり、建築・デザイン研究の領域からは排除されてきました。近代以降の日本の中流住宅がどう飾られてきたのか紹介し、人々が目指してきた「―風」のデザインを考えます。

【講師プロフィール】
神野由紀(じんの・ゆき)
関東学院大学人間共生学部共生デザイン学科教授。筑波大学芸術学研究科修了・博士(デザイン学)。専門は近現代の日本のデザイン文化史。消費社会の生成・発展過程における人々の趣味について、研究している。主な著書に『趣味の誕生』(勁草書房、1994年)『子どもをめぐるデザインと近代』(世界思想社、2011年)『百貨店で〈趣味〉を買う-大衆消費文化の近代』(吉川弘文館、2015年、『趣味とジェンダー ー〈手作り〉と〈自作〉の近代』(代表編者)(青弓社、2019年)など。

デザイン史学研究会後援


第3回デザイン研究講演会「視覚空間とタイポグラフィ」

講師:佐賀 一郎 氏

日時:2025年6月15日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
※DHRCtokyo有料会員の方は参加費1,000円となります。

【応募フォーム】
※先着制で定員に達したため、恐れ入りますが、この度の募集は締め切らせていただきました。(2025年6月7日更新)

講演内容:
いくつかのタイポグラフィックなポスターを事例としてとりあげながら、その画面構成を考察します。たとえば風景写真を見るときと、文字を見るときとでは、私たちの態度は大きく異なります。風景写真はある種の視覚的なイリュージョンを生み出し、私たちに風景(空間)を伝えます。タイポグラフィはどうでしょうか。それはあくまで平面上に展開されるものでしょうか。それとも風景写真と同様の、ある種の空間性をともなうものでしょうか。風景を見るようにタイポグラフィを見るとき、なにが見えてくるのかを考察します。

佐賀 一郎(さが・いちろう)
多摩美術大学グラフィックデザイン学科准教授、女子美術大学博士課程修了・美術博士。
専門は近代以降のグラフィックデザインとタイポグラフィの理論と実践。
第8回竹尾デザイン評論部門優秀賞受賞。
訳書に『ウィム・クロウエル:見果てぬ未来のデザイン』(ピー・エヌ・エヌ新社、2012年)、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン著、佐賀一郎監訳『遊びのある真剣、真剣な遊び、私の人生』(ピー・エヌ・エヌ新社、1918年)などがある。

デザイン史学研究会後援


第2回デザイン研究講演会「日本の洋画宣伝とキネマ文字」

講師:西村美香 氏

日時:2025年5月18日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:デザイン史リサーチセンター東京
(住所)東京都新宿区下落合3-15-23-104
申し込み:先着10名
参加費:2,000円(資料代、お茶代含む)
※当日、現金にてお支払いください。
※DHRCtokyo会員の方は参加費1,000円となります。

【応募フォーム】
※先着制で定員に達したため、恐れ入りますが、この度の募集は締め切らせていただきました。(2025年5月8日更新)

【講演概要】
 日本語の書体開発ほど煩雑なものはない。英書体がアルファベットとカンマやピリオドなど約物をいれて一書体に対して80種類ほどにすむのに対して、和書体ではひらがな、カタカナ、約物、それに加えて膨大な漢字が必要とされるゆえだ。
今日、印刷のデジタル化、あるいはAIの登場によってこの問題は少しは改善されつつあるが、そういったもののない全てが手作業の時代、新書体はどのように開発されていたのか。1920年代から30年代にかけての書体開発を洋画宣伝を例に垣間見てみようというのが発表の趣旨である。

【講師プロフィール】
西村 美香(にしむら・みか)
京都工芸繊維大学大学院修了。工学修士。
山本光学株式会社企画顧問、京都嵯峨芸術大学専任講師を経て、現明星大学教育学部教授。
著書に『モダニズム出版社の光芒』(淡交社)、『二〇世紀のポスター[タイポグラフィ]』(日本経済出版社)など。

デザイン史学研究会後援


第1回デザイン研究講演会「リュベトキンのペンギンプール:ピクチャレスクとイギリス・モダニズム建築の系譜」

講師:近藤存志 氏

日時:2025年2月16日(日)14:30~16:30 (受付14:00〜)
会場:NPO法人DHRCTokyo
申し込み:先着10名
参加費:2000円(資料代、お茶代含む)

【応募フォーム】
※先着制で定員に達したため、恐れ入りますが、この度の募集は締め切らせていただきました。

【講演概要】
 1934年6月、『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』は、竣工間もないロンドン
動物園のペンギンプール(Penguin Pool, Regent’s Park Zoo, London, 1933-34)について
、「園内で最もピクチャレスクな一角」と表現しました。
その数年後、ニューヨーク近代美術館が「イングランドの近代建築」(‘Modern
Architecture in England’, 1937)と題した展覧会を開催し、これに併せてラースロー・モホ
イ=ナジ(László Moholy-Nagy, 1895-1946)によって短編映画「新建築とロンドン動物園
」(‘New Architecture and the London Zoo’, 1936)が制作されました。
建築史家ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック(Henry-Russell Hitchcock, 1919-87)は
、「イングランドの近代建築展」の開催に際して刊行された書籍に、同展と同じ表題の論
稿を寄せて、その中で「今日、イングランドは近代建築の設計・建設活動において世界を
リードしていると言っても過言ではない」と記しました。そしてさらに続けて、ロンドン
動物園のペンギンプールが「イングランドにおける近代建築の発展が世界の注目を集める
きっかけとなった建造物」であること、またこの建造物によって「イングランドが、近代
建築を現代における合理的な建築のあり方として受け入れただけでなく、最高の技術と美
的創意を兼ね備えた建築の才に秀でた人びとに活躍の機会を提供していることが明らかに
された」と主張しました。
ロンドン動物園で「最もピクチャレスク」な空間にして、「イングランドにおける近代
建築発展の象徴」となったペンギンたちのためのプール。—— 本発表では、「ピクチャレ
スク」(the Picturesque)と「18世紀後半に源流を持つイギリス・モダニズム建築の系譜
」を手掛かりに、バーソルド・リュベトキン(Berthold Lubetkin, 1901-90)の傑作ペンギ
ンプールがイギリスの美術史・建築史に占める位置に注目したいと思います。

【講師プロフィール】
近藤 存志(こんどう・ありゆき)
東洋大学福祉社会デザイン学部人間環境デザイン学科教授。日本学術会議連携会員。エデ
ィンバラ大学大学院博士課程修了。PhD in Architecture(エディンバラ大学)。著書に『
時代精神と建築』(知泉書館)、『現代教会建築の魅力』(教文館)、Robert and James
Adam, Architects of the Age of Enlightenment (Routledge)、『キリストの肖像』(教文館
)、『光と影で見る近代建築』(KADOKAWA)、『ゴシック芸術に学ぶ現代の生きかた
』(教文館)。